2003.8.10
繊維(カーテン、カーペット)、ビニール壁紙等や電化製品などを燃えにくくするために各国で使われている臭素系難燃剤が、米国人の母乳中に比較的高濃度で蓄積していることが、米テキサス大やカナダ、ドイツの研究チームによる調査で8日までに分かった。
臭素系難燃剤の中には免疫機能や脳神経の発達に悪影響を与えるとされている物質もあり、研究グループは「乳児への影響などが懸念される」としている。
日本でも血液や脂肪組織中に難燃剤が蓄積しているとの結果が報告されており、今後詳しい調査が必要になりそうだ。
グループは米テキサス州で保存されていたサンプルや、病院を通じて提供を受けた20歳から41歳までの女性47人の母乳について、13種類のポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDE)の濃度を分析した。すべての母乳中からPBDEが検出され、脂肪中の平均濃度は74ppd(1ppdは10億分の1)。最高値は419ppdで100ppd以上が8人おり、濃度は欧州の人体汚染のレベルの10から100倍も高かった。
PBDE
ポリ臭素化ジフェニルエーテルの略称。分子中に臭素を含む有機化合物の総称で、うち数種類が、コンピューターやカーペットなどを燃えにくくする加工のために先進国を中心に広く使われている。世界の年間生産量は5万トン程度という。欧州諸国では、1990年代に人体や環境の汚染が問題化。日米やカナダでも汚染の拡大を示すデータが増え、魚など食品を経由した体内への蓄積が疑われている。(8日付ワシントン共同通信の記事)