平成21年1月〜6月分 『今月の言葉』

今月の言葉・平成21年1月

利を共にするは小なりといえども還って大なり
  これは江戸前期京都嵯峨の豪商で学者、書家としても高名だった角倉素庵(すみのくらそあん・1571−1632)の 言葉です。角倉素庵は豪商である角倉了以(りょうい)の長男として生まれ、朱印船貿易で安南(現在のベトナム)との貿易に従事したほか、富士川や淀川の改修など、幕府の土木・
河川の仕事にも多くの功績を残しました。
  また本阿弥光悦に書を学び、角倉流書風の始祖となり、光悦・松花堂昭乗とともに「洛下の三筆」 と呼ばれた多彩な才能の持ち主でした。素庵が外国貿易の心得を決め、規約として書いた 「船中
規約」 の第一条の中で、「およそ回易のことは、有無を通じて人と己を
利するなり。人を損じて己を利するに非ず。利を共にするは小なりといえども還って大なり。利を共にせざるは大なりといえども還って小なり。」 と利は相手と自分との共存共栄また道理、道徳、正しい
道に従うことによって生まれると説いています。
  今から400年も前の人が説いた商売の基本を未だに守れず、偽装などの不正行為が後を絶たないことを素庵が生きていたら、なんと言うことでしょうか?
 2008年は景気が悪い厳しい1年でしたが、お蔭様で大過なく終わりました。新年もお客様、取引先を大切にして、正直に、まじめに働いて、いい1年にするよう努力しましょう。
 

今月の言葉・平成21年2月

    最も強い者が生き残るのではない
    最も賢い者が残るのでもない
    唯一生き残るのは変化する者である。
  これはチャ−ルズ・ロバート・ダーウィンの言葉です。ダーウィンは1809年にイギリスに生まれた
博物学者です。1831年に測量船ビーグル号で南半球を5年間就航して、各地の地質や動植物の調査をし、これを基に1859年進化論で有名な「種の起源」を著わしました。変化が必要なのは動植物だけでなく、企業も同じです。現下の厳しい景況の中でも、必ず生き残って いける方法はある筈です。経営
方針、商品構成、営業方法、財務管理等を現状に対応し、常に改革し、変化していくことだと思います。
  アメリカのオバマ新大統領の掲げたスローガン「CHANGE」も決して新しい言葉ではありません。
私たちも常によい方向に向けて、変化するようにしなければなりません。マンネリになり、つい当たり前と思ってしまう日常業務、マニュアル、商品構成、営業方法等を再度見直して、「CHANGE」していきま
しょう。必ず「Yes, We can」です。

今月の言葉・平成21年3月

英国は各員がその義務を遂行することを期待する
  この言葉はイギリス海軍のネルソン提督の言葉です。
信号旗により戦闘開始を告げ、兵士を鼓舞 した短い名文句として残っています。 ネルソン提督は
アメリカ独立戦争、ナポレン戦争などで活躍し、トラファルガー海戦でフランス・ スペイン連合艦隊を
破り、ナポレオンによる制海権獲得・英本土上陸を阻止しました。しかし、ネルソン自身はその戦勝と引き換えに狙撃され、戦死しました。 ネルソン提督は現在でもイギリスの英雄として称えられており、ロンドンのトラファルガー広場の中心にはネルソン記念柱が据えられています。
  ビジネスは戦争ではありませんが、企業が全社員一丸となって目標に向かって、競合他社と戦って いる点では同じと言えます。 各社員がその役割、職位に応じて業務を遂行し、責任を果たすことが
重要です。
  ネルソン提督の言葉を言い換えれば、
       『会社は各社員がその職務を遂行することを期待する!!』  となります。
  各人のいいプレイが集結して、いいチームプレイとなり、初めて厳しいビジネス戦を勝ち抜いて
いけるのです。しかし、ルールを守り、フェアプレイで戦うのは当然です。

今月の言葉・平成21年4月

因果倶時(いんがぐじ)
 これはお釈迦さまの言葉です。わかりやすく言えば、原因と結果は必ず一致するという意味です。
「現在の果を知らんと欲すれば過去の因を見よ、未来の果を知らんと欲すれば現在の因を見よ」
つまり、現在の自分は過去の積み重ねの中にあり、また、将来の自分がどのようになるのかは、
現在の自分の一日一日の積み重ねの中にある。という意味です。 また「因果応報」という言葉も
有名ですが、これは「善い行いをすれば、自分に善い行いで返り、悪い行いをすれば、悪い行いで
返る」という意味です。 また「自業自得」という言葉もよく使われますが、これは仏語で「自分の行為
の報いを自分自身が受ける」いうことで、一般に悪行の報いを受けることをいいます。他にも「日頃
往生」という言葉もあります。仕事もそれを行う人の人間性、道徳観念がかなりの部分を左右します。
そして、企業も人間の 集団ですから、やはり同じことが言えるでしょう。会社の現在の業績・評価は
過去の積み重ねの 結果であり、会社の将来は現在の営業姿勢の中にあると言えるでしょう。
厳しい時だからこそ、より一層仕事の基本を守り、真剣に、まじめに毎日働きましょう。

今月の言葉・平成21年5月

仕事が楽しみなら人生は極楽だ、仕事が義務なら地獄だ
  これはロシアの作家マキシム・ゴーリキーの戯曲「どん底」に出てくる台詞です。
ゴーリキーは今から141年も前の1868年生まれで、この言葉の出てくる「どん底」は1902年に発表され、同年モスクワで上演され、ゴーリキーの代表作となり、日本でも数多く上演されている有名な作品です。
  働くということは経済的な理由が確かにあるものの、どうせ働くなら楽しみながら働けたら、 人生は楽しく、また、そういう人は困難な状況に直面しても決してできない理由を探さず、どうしたらできるかを探しながら積極的に取り組み、結果的にうまくいくと思います。福沢諭吉も「世の中で一番楽しく立派なことは、一生涯を貫く仕事を持つことである、世の中で一番さびしいことは、なすべき仕事のないことである」と言っています。
  「景気が悪い」「売上が悪い」といくら悲観的なことを言っても、何も変わりません。むしろ、そういう
マイナス言葉は景気をもっと悪くするばかりです。 どうせ働くなら、楽しく、元気で「よし、それなら私が、みんなが、うちの会社が景気をよくしよう!」という意気込みで働きましょう。しかし、落ち着いて、冷静に仕事の基本を守り、楽しく、真剣に毎日働きましょう。

今月の言葉・平成21年6月

       どの時代でも、不安のないときはなかった
             それを乗り越えてきたところに、努力のしがいがあった
  これは昭和の時代を代表する財界人である土光敏夫さんの言葉です。土光さんは、昭和25年
経営の危機にあった石川島重工業の社長を務め、その後合併により石川島播磨重工業を設立
しました。また昭和40年には、やはり経営難だった東京芝浦電気(現在の東芝)の再建を依頼され
社長に就任し、再建に成功しました。昭和49年には、財界の総理ともいわれる経団連会長に就任し
3期9年を務め、また、昭和56年には第二次臨時行政調査会長に就任し、その後は臨時行政改革
推進審議会長を務めるなど、行政改革の先頭に立ちました。
  数々の功績とその謹厳実直な人柄性、抜群の行動力、そして質素な生活ぶりから「ミスター合理化」「めざしの土光さん」「荒法師」「行革の鬼」等の異名を 奉られました。
  今のように特に厳しい景気のときは、誰もが不安になるのは当然です。しかし、その不安を乗り
越えてこそ本当の実力であり、また「努力のしがいがあった」と働く喜びを 感じられると思います。