平成20年1月〜6月分 『今月の言葉』

今月の言葉・平成20年1月

変わらずに生き残る為に、自ら変わらなければならない
( We must change to remain the same )
 この言葉は第16回(1963年)カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いたイタリアの巨匠ルキーノ・ヴィスコンティ監督の名画「山猫」のクライマックスの台詞です。
 シチリアの大地に、滅び行く貴族社会の壮麗なる落日を描く名作として、40年以上を経た今日も観る人に大きな感動を与えています。 また、この言葉は、去る4月に民主党代表に就任した小沢一郎氏の決意表明に使われたことが報道され、広く知れわたりました。
 私たちのビジネスの社会でも、革新する技術、変遷する環境、文化、消費者ニーズに即応して、企業は常に変わっていかなければ、生き残れません。しかし、社会の経営理念、お客様のための商売の基本は、変えてはならず、かたくなに、守り続けていかなければなりません。
 昨日より今日、今日より明日と、より成長し、より社会に必要とされる企業になるためには、 会社も、社員も変わっていかなければなりません。


 

今月の言葉・平成20年2月

負けまじき軍に負け、亡ぶまじき家の亡ぶを人みな天命と言う
それがしに於いては天命とは思わず、みな仕様の悪しき故と思うなり。
この言葉は戦国の武将、武田信玄の言葉です。武田信玄については、あまりに有名な武将であり、いまさら説明する必要もないと思います。 「負けるはずのない戦に負け、亡ぶはずのない家が亡ぶのを、人は みんな天命と言うが、私はそうは思わない。それはすべて方法、やり 方が悪いからだと思っている」という意味です。 確かに、昨今の景況は大変厳しく、特に小規模の企業には、厳しい 経営環境ではありますが、私たちも、とかく「景気が悪いから・・・」 と努力をしないで、安易に景気を言い訳にしていることが、あるのでは ないでしょうか? 武田信玄のこの言葉で、私たちの仕事ついて言えば 業績の悪さ、会社の倒産を、人はみんな景気が悪いからと言うが、私は 景気が悪いからとは思わない、それは営業方針、経営が悪いからと思う と言い換えられるでしょう。 不景気を口実にしたり、言い訳を探す前に、まず、自分が今何をなす すべきかを考え、最大限の努力をすることが重要なことだと思います。

今月の言葉・平成20年3月

乱れて盛んなるよりは、むしろ堅く守りて滅びよ
これは大蔵流狂言の先代山本東次郎の言葉で、今に伝わる有名な警句です。これは「滅んでもいい」という意味ではなく、仕事をする上での、 自分の「プライド」「志」の高さではないでしょうか。私たちも、仕事をする上で、自分の信念を曲げたり、譲歩せざるを得ないことが多々あります。しかし、「ここまでは譲れるが、ここから先は何があっても、譲れ ない」という限界点の設定がなければいけないと思います。 その限界点を低く設定するということは、自分の確固たる信念を持たず、安易に世間や流行に振り回され、自分を見失い、仮にうまくいったとしても一時的なもので終わってしまいます。永続性のある、いい仕事をするた めには、「堅く守りて滅ぶ」くらいの覚悟が必要ではないでしょうか。 私たちも、自分なりに設定した限界点を堅く守り、仕事の基本、道徳、常識、法律を遵守しなければ、お客様に信頼されず、支持されず、本当 に滅んでしまうのではないでしょうか?多発する偽装事件も、この限界点、覚悟のなさが原因ではないでしょうか?

今月の言葉・平成20年4月

会社とは解決すべき問題の集大成である
 これは昭和の時代を代表する財界人である土光敏夫さんの言葉です。
土光さんは、昭和25年経営の危機にあった石川島重工業の社長を務め、
その後合併により石川島播磨重工業を設立しました。また昭和40年には
やはり経営難だった東京芝浦電気(現在の東芝)の再建を依頼され社長
に就任し、再建に成功しました。昭和49年には、財界の総理ともいわれる
経団連会長に就任し3期9年を務め、また、昭和56年には第二次臨時行政
調査会長に就任し、その後は臨時行政改革推進審議会長を務めるなど、
行政改革の先頭に立ちました。 数々の功績とその謹厳実直な人柄性、
抜群の行動力、そして質素な生活ぶりから「ミスター合理化」 「めざしの
土光さん」「荒法師」「行革の鬼」等の異名を奉られました。
 この言葉のとおり、会社には日々さまざまな問題が起こり、それらを解決
するために毎日の仕事があると言えるでしょう。「問題がない」というのは、
「問題がない」のではなくて、「問題が見えていない」、「表面化していない」
だけではないでしょうか?問題を早く見つけ出し、先送りせず早期に解決
すれば、現下の厳しい荒波も、必ず乗り切れると思います。

今月の言葉・平成20年5月

求めない── すると 簡素な暮しになる
求めない── すると いまじゅうぶんに持っていると気づく
求めない── すると いま持っているものがいきいきとしてくる
 これは加島祥造(かじま・しょうぞう)さんの詩集「求めない」の一部です。
加島さんは1923年生まれの英米文学者、詩人、画家で、老子の言葉と思想を
現代語自由詩によって表し、一貫した 思想を詩、書、画で表現する現代の文人として高名です。現在信州伊那谷に暮しています。
 詩集の「はじめに」の中で、誤解しないでほしい「求めない」と言ったって、どうしても人間は「求める存在」なんだ。(中略) それを否定するんじゃないんだ、いや肯定するんだ。(中略)あらゆる生物は求めている。命全体で求めている。一茎の草でもね。 でも、花を咲かせたあとは静かに次の変化を待つ。そんな草花を
少しは見習いたいと、そう思うのです。"と書いています。
 私たち企業にとって、利益は会社を支える必要不可欠で、重要な目的の一つであることは否定しません。 しかし利益は、けっして最優先ではなく利益を求める前に、やはりお客様の求めていることを最優先すべきだと思います。 こちらの儲けや、売りたいものより、お客様が本当に必要としているもの、できれば、華美でなく、自然で、暮しや 住まいに本当に必要なものを、先ずお客様に提供することが、私たちの使命と思っています。 そして、それから会社や社員の生活を維持
していくため、適切な報酬として利益をいただくことが本来の経済活動ではない
でしょうか。 先ず自分の利益ありきではなく、「求めない」姿勢、利他の心が重要だと思います。

今月の言葉・平成20年6月

会社が大きくなるより、社員がほめられる会社にならないと駄目だと思う
 これは(株)セブン&アイ・ホールディングス名誉会長の伊藤雅敏さんの言葉です。
伊藤さんは、言うまでもありませんが、イトーヨーカドー、セブン-イレブン、デニーズ
などを創業し、日本有数の企業グループに育て上げるなど、多くの実績があります。 特に1974年、東京都江東区に米国サウスランド社とのライセンス契約によるセブン
-イレブン第1号店をオープンし、これが日本のコンビニエンスストア時代の始まりと
なり、今日のコンビニ商法を確立し、定着させた経営者です。 また、多くの著作や
講演活動を行うなど、現代日本を代表する経営者の一人です。 「会社にとって大切
なことは、まずはお客様である。お客様が原点にない商売は駄目である。次に大切
なものは社員である。 会社存立の基盤はお客様の支持であるが、そのお客様に
サービスを提供する主体は社員であるから、会社は社員で成り立っている。会社は自分だけの力で成り立っているのではなく、お客様・従業員・取引先・社会に支持されなければ存在することができない。」 と言っています。 扇産業も、会社の規模や売上の大きさを求める前に、まず、お客様や取引先から「社員がほめられる 会社」を目指し努力すべきだと考えます。そうすれば、お客様、取引先に支持され、自ずと売上や利益は後からついてくると思います。